第二回韓日未来フォーラム / 柳川ゆい


 今回、ソウルで行われた「第二回韓日未来フォーラム」に参加しました。このフォーラムは、韓日社会文化フォーラムが主催したプログラムで、日本人20名、韓国人19名のディベーターが集まりました。私自身このようなフォーラムに参加するのは初めてだったので、様々な刺激を受けることができました。全体の雰囲気としても、両国とも真剣に、活発な議論をすることができたと感じています。

 

 まず始めに、日韓両国のイメージについて話し合いました。この話し合いの中で、私たちの班は特に、日本人が持つ、韓国人のイメージについて詳しく話し合いました。私たち日本人のほとんどは、「韓国人は反日だ」と思っています。そして、「韓国人は皆、政治家を支持しており、政治家がすることは国民の民意だ」と思っています。しかし、韓国人参加者の話を聞いて、完全にそうではないことを知りました。

まず、「韓国人は反日である」ということについてです。日本人の思う「反日」とは、よくニュースで目にする、過激な反日デモのようなことを指します。例えば日本の国旗を燃やしたり、日本兵の服を着た人形を棒で叩いたりしているパフォーマンスが、韓国では日常においてよくあることだと思っていました。しかし、今回の韓国人参加者によれば、韓国に住んでいて今まで一度もそのような過激なデモを目にしたことはないそうです。また、私たちが説明しないと、このような過激なデモがどのようなことをしているかを知らなかったのです。私たちは国民全員が反日デモをしている、または支援していると思っていたので、驚きました。また、韓国人参加者は、彼らがそのような行為をする理由には頷けるが、だからといって過激な行為をするのはまた別であると言っていました。

「韓国人は皆、政治家を支持しており、政治家がすることは国民の民意だ」ということについてですが、これもまた違っており、大統領に対して批判する国民は多く、朴クネ大統領についても、当選が決まった時は泣いて悲しんだ人も多いと話していました。また、政治の話については、韓国人は日本人より興味があり、自分の意見についてはっきりと話している人ばかりで、日本人よりも政治家に対して批判を持っていると感じました。以上のようなことから、日本人の韓国人に持つイメージは、メディアから得るものに偏っており、実際の韓国国民とは違うものだということが分かりました。

次の話合いでは、日韓友好に向けて、私たちはどのような方法をとっていかなければならないかを話し合いました。前回の話し合いを受けて、まずはメディアリテラシーの教育をすることが大切だとしました。現在日本の義務教育内で行われているメディアリテラシーの教育は、インターネットの情報の見極めに特化していると思います。しかし、他のメディアである新聞、テレビ、雑誌についても、情報が本当に正しいのかどうかを判断しなければならないことを国民に教える必要があるとしました。そうすることにより、「韓国は反日だから」という事だけで嫌韓の意識に陥ることはなくなるのではないでしょうか。

二つ目は、日本韓国両国共に、お互いの価値観の違いを受け入れる器を持つ国民を育てるために、教育課程の中に、より多くの「議論の場」を作ることが大切だとしました。「議論」とは、自らの立場を明確に伝え、違う立場の人の意見を聞き、そして話し合いの中で妥協点をみつけていくという平和的解決法を生み出すものです。このような力を、教育の過程でつけていくことにより、他国の文化を自国の価値観のみで判断し、問題を引き起こすことを避けることができると考えました。

最後に、無関心層に対する策を考えました。無関心層とは、特に政治問題や国際問題に興味があるわけでもないが、メディアの影響により、知らぬ間に相手国に対する差別や偏見を持っている人たちのことを指します。この層が大多数を占めていることもあり、この層に対してどうアプローチしていけば、差別や偏見をなくしていけるかを考えました。私たちは、ドラマや動画サイト、SNSなどの無関心層に近い存在であるものを使い、そこに国際理解などを絡めていくことで、偏見や差別、誤解を解いていくことが有効な策なのではないかと考えました。例えば、最近日本で話題になっている「テラスハウス」の登場人物を、日本人と外国人たちしてリメイクし、お互いの価値観を知りながら共生していく、というようなものであれば、無関心層にも相互理解を体験してもらうことができるのではないか、という案があります。

また、現在の嫌韓は、社会の不満のはけ口にされているとの指摘もありました。これに対する策としては、まずは対韓関係が不満のはけ口にされる対象から外すことでしょう。現在日本にある、他のアジア諸国を卑下してしまう雰囲気が、不満のはけ口にしてもよいという意識を作っているのではないでしょうか。ですから、まずは日本の中の偏見や差別をなくすことが重要です。また、社会の不満の根源を断つことが最も大切かもしれませんが、社会に不満のない世の中を作るための策は、人間の永遠のテーマである為、今回は話し合いませんでした。

 このような話し合いを通して、日韓友好のためには、様々なアプローチが大切だと感じました。現在の日本の嫌韓の流れを変える為には大きな体系を作っていかなければなりません。このような体制を作るためにはどのように動いていくべきか、これから考えなければならないと考えます。

 今回のフォーラムのように、相手国の言葉が分からない人が参加できる会議は、もっと増えていくべきです。相手国の言葉が話せる者同士が会議をするということは、お互いの国をよく知り、理解できている者同士が会議をするということにもなります。そこに生まれる結論は、あまり意味がないでしょう。より両国民の一般人が会議をすることこそに、意味ある結論が生まれるのです。今回、そのような会議を可能にさせてくださった、通訳の方には、感謝してもしきれないほどです。ありがとうございました。