第五回韓日未来フォーラム 事業報告書

坂口沙絢 堀さおり

湊本泰行 嶋津浩介

 

1,5回韓日未来フォーラム概要

日時:201682316:30より82609:15

場所:島根県青少年の家サンレイク

主催:韓日社会文化フォーラム

参加者:21名+実行委員4

     内訳 実行委員(日本人4名、韓国人0)

          意見交換者(日本人12名、韓国人9)

趣旨: 国交正常化50周年であった2015年は様々なシンポジウムやイベントに加え外交においても大きな変化のあった一年であった。そして年が明け51年目がスタートした。今年は50年と言う区切りを経た新たなスタートの年である。それにもかかわらず、未来に向けて我々が具体的に何をすべきか見えている若者は数少ない。それに対して、我々は問題意識を持っている。そしてこのたび、我々は、古代銅鐸が使われていた時代から島をめぐる問題が存在している現代まで、日韓において良くも悪くもホットスポットである島根という地で、日韓の学生を集めて未来について共に語り合う。 この事業は、新時代の幕開けである2016年に新時代の主人公である若者が新時代において重要な場になるであろう島根で集まるという新時代を見据えた事業である。

事業を通じて目標とすることや、期待できる成果

新時代の幕開けである2016年という年に、新時代の主人公である若者が、新時代において重要な場になるであろう島根という場所で集まり、新時代について語り合うということは、日韓の未来に向けた大きな飛躍の一歩となる。本フォーラムをきっかけに、皆が思考、行動を続け、各々が両国において文化交流、学問、政治といった様々な場面での小さなリーダーとなり、今後の日韓を引っ張っていく大きなリーダーとなることを期待する。日韓の明るい未来に大きな貢献ができると考えている。

内容:34日の合宿形式で行った。

    参加者は日本人学生、韓国人学生共に、討論やプレゼンテーション、課外活動を行っ

    た。討論は、日韓両国の相互認識について、日韓が抱える諸問題についての討論を行っ

    たうえで、最終的に我々が具体的にすべきことについて討論する。 討論内容については別

    途記載。また、野外炊飯や課外活動を通し、国籍を超えた自由な交流をしたり、日本の

    文化に触れつつ、親睦を深めてもらう。

 

 

 

 

 

2,5回韓日未来フォーラム日程

8/23

14:30  米子空港出発
15:15  JR松江駅経由
16:00  サン・レイク到着
16:30  開会式
        アイスブレーキング
17:30  夕飯
18:30  討論(日韓両国についての相互認識について)

      以下のテ認識を日本人、韓国人にグループ分け議論

      ・日本の良いと考える点、悪いと考える点

      ・韓国の良いと考える点、悪いと考える点

      発表、質疑応答

 

8/24

08:00  朝食
10:00  討論(日韓関係の諸問題について)

以下の3つのテーマごとにグループ分け議論

・日韓両国の歴史教育について

・慰安婦問題について

・領土門問題について

発表、質疑応答
12:00  昼食
13:00  討論(日韓関係の諸問題について)

以下の3つのテーマごとにグループ分け議論

・日韓両国の歴史教育について

・慰安婦問題について

・領土門問題について

発表、質疑応答
16:00  野外炊飯(カレー作り)
19:00  プレゼンテーション準備(私たちにできる小さな外交とは)

 

8/25

09:00  朝食
10:00  サンレイク出発
10:45  到着(出雲大社、歴史博物館観光)
13:30  昼食
14:30  歴史博物館出発
16:00  サンレイク到着
        プレゼンテーション準備(私たちにできる小さな外交とは)
18:00  夕食
19:00  プレゼンテーション発表(私たちにできる小さな外交とは)

 

8/26

07:30 朝食
08:45 閉会式

サン・レイク出発
09:45 松江駅経由
10:45 米子空港到着
12:00 米子空港発(アシアナ航空・仁川行き)

 

3, 5回韓日未来フォーラム総括

今回で開催5回を迎えた韓日未来フォーラム。はじめての日本での開催。そして日本の中でも島根県という日韓間で大きな争点となる地での開催であった。そして開催の約1週間前には韓国の議員団による竹島上陸がなされたタイミングでもあった。そして我々が大学生になってから今まで、あるいは両国に対して興味を持ち学びはじめてから今まで、日韓間に摩擦が生じていなかった時は片時も無かった。そういった背景のある中、開催されたフォーラムであった。

ここに集った我々日韓の若者は、寝食を共にして仲を深めた。友情の芽生えであり、異文化交流、国際交流がまさにそこにあった。さらに我々は上に挙げた3つからなるグループワークを通して日韓の未来を創造する当事者としての自覚を得た。「認識」というものの重要性を感じ、現状を身をもって把握し、自分ができるすべきことにまで考えをめぐらせた。

しがらみのない若者だからこそ生まれる自由で突拍子もない発想もあり、常に自分たちが切り拓いていく明るい未来を志向していた。まさにテーマに掲げた「私たちのできる小さな外交」を我々は実践し、今は小さくも未来において大きな意義を持たせることのできる歩を進めた。そういった点で大変意義のあるフォーラムとなった。

 

4,各項目別総括

[1] 討論(日韓両国についての相互認識について)

  日本人と韓国人に分かれて日韓両国についての相互認識について討論を行った。

日本人側の討論では、日本についての良く知らない、良い点より悪い点の方が出る結果となった。1回目の討論後、韓国側の意見を踏まえて討論をしたことで、違う視点に気付き、さらに韓国だけでなく日本のことも良い知るきっかけとなった。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                       

日本側の認識

日本の長所:安全で衛生面が良い(トイレ)、粘り強い性格、技術の高さ、

信頼性がある(無人駅)、時間の正確さ

サブカルチャー文化(アニメやファッション)、おもてなし、伝統を重んじる

災害による危機管理能力がある、粘り強さがあり、継続の文化(研究・ノーベル賞)

謙譲語、人のことを考えて意見を言う、食文化(寿司が美味しい)

日本の短所:政治への関心が低く、選挙に興味がないので投票率も低い。だから、行ったとしても白票。

         政治について詳しく教育されない、支持したい人がいない、

行かなくても大丈夫という雰囲気になっている、総理が何度も変わる

  信憑性の低いメディア、報道、日本を褒め称える報道の多さ

  感情労働(ex,マクドナルドスマイル0円)、マニュアルに頼っている、意見が言えない

  返金しないといけない奨学金が多い 

 

  韓国の長所:海外への待遇・対応が良い(店の外国語のメニュー、留学生向けの寮の多さ、大学の規模が

大きい、英語支援がしっかりしている、奨学金が多い)

        年長者を敬う、妊婦用のシート、フレンドリー、家族の仲(祖父母の誕生日を覚えている)

 熱い日韓戦、スラングが多い

            政治についての関心が高い、意見を持つ

        AVがない、交通費・食べ物の安さ、

  韓国の短所:大統領制により情勢が不安定、メディアの影響力(激しい反論コメント)

        反日に対する考え(胡散晴らし、支持率、SNSによる過激な意見、歴史教育、思考回路

が違う方向に)

        詐欺(タクシーの乗車拒否、韓国語話せない人にぼったくり、日本語メニューのほうが高い)

        日本人女性に対してAVのイメージを持っている

        就職率の悪さ、スペックの重要性、外見(整形、身長)、デモに対する警察の過激な対応

        親に敬語、だから壁があるのでは?謙譲語がない、自分の能力のために外国人の友達を作る

        しかし、日本も同様な短所がある

 

韓国側の認識

日本の長所:家系を継ぐこと、文化を大切にしている(祭りや浴衣)

市民意識が高い、法を守る、リアクションが良い、道がきれい

日本の短所:交通費が高い・不便、移民政策に対して消極的

         高齢化の比率が高い、旭日旗を使用すること

 

韓国の長所:国民の協力性、男女の密着関係、治安が良い、交通が発達している

        ITの発達、食文化(おかずが無料・おかわり自由、なんでも配達できる)

        ハングルの支持率の高さ、表現力が豊富、漢江の奇跡

韓国の短所:他人の干渉が激しい・私生活を侵害する、他人の基準に合わせて動く

軍隊・儒教文化(学力やお金で序列化)

すぐ熱くなり、上がり下がりが激しい

 

韓国人の討論を聞いた日本人の反応

(日本の良い点)・家業を継ぐという話では、韓国は家業がうまくいったら、そのお金で子供に更に良い職についてもらおうとする

    ・リアクションが良いということに対して、韓国人はグルメリポーターが原因と考えている。

    ・ボケツッコミ力が高い

    ・微妙でも良いように言う、誇張する、不味いと言えない、建前の文化、その場を丸く収めたい

    ・周りが幸せだったら自分も幸せ(平和)だから他人の気分を害したくない

    ・自分の価値も下げたくない

(日本の悪い点)・電車賃が高いのは距離や賃金の差・高サービスだから

    ・日本人は旭日旗を知らない人が多く、韓国人は敏感で、アメリカではウケが良い

    ・旭日旗を知らない理由は、戦争を知らない世代だから

    ・移民政策に消極的なのは同感だが、国民の安全性を考えたらしょうがない

    ・(田舎に行けば)ふるさとを大事にしているから、よそ者に対して消極的

    ・高齢化・少子化は韓国も同じ問題を抱えている

    ・日本は伝統を重んじるというが、韓国人はほとんど外国に行ってしまう。

    ・韓国は留学が義務という意識がある

(韓国の良いところ)・国民性の団結性については日韓戦を見れば分かる。

    ・韓国のIT技術の高さは、韓国のFree Wifiの発達を見ればわかる。でも安全性が低い

    ・不法ダウンロードが多く、見ることができないものは裏ルートを探す

    ・おかずがたくさんあるのは良い点だが、廃棄量が多いのは問題では?

    ・パッチムのおかげで英語の発音も良く、ハングルは優秀だと考える。文字の歴史が分かる

    ・交通が発達している点については、乗り換え料金が安いのが良い。でも、政府が経営しているから安くても成り立っているのでは?

    ・韓国人の密着性については日本では問題視される。2人で歩くだけで高校に通報する人がいる

    ・治安が良いということは、自己管理意識が低くなることも意味している。日本も同様。

 

質問

 Q,韓国が反日教育をしているという根拠は?(韓国人)

A,メディアの影響で、韓国人がそういう教育をしていたり、独島の歌を勉強していたりする。日本人を嫌う

韓国人が多いと、日本人が感じている理由は、韓国では反日教育をしているからだ、と考えているから

だ。韓国も同様だが、かいつまんだ文章により、誤解が生じている。

 

Q,大統領が変わったら政治が不安定になることを短所と考える理由は?新しい政権になったら変化があるのは当たり前で、良いように変わると考える(韓国人)

, 日本と比較すると、大統領は4年間就任するので、自分がしたいようにできる。もし、悪いことを推し進めようとする人であったら、それを止めることが難しい、という悪いことがあるから。また、韓国は法律をよく改正するが、日本は10年後、20年後の将来のことを考えて行動するため、法を変えることは難しい。日本は新しいことに、慎重。

 

Q,韓国が旭日旗に対して敏感な理由は?(日本人)

A,観光は戦争中被害を受けた立場で、日本はナチスと同様。戦争を思い出させるから使わないでほしい。また、旭日旗を使っているのを見ると、日本が戦争を反省していないと考えるし、日本がその時に戻りたいと思っていると、感じてしまう。

Q,どうして旭日旗を使うのか?(韓国人)

A,私たちは戦争を体験していないから、懐かしいという気持ちにならないし、だから使うことに「意味」はない。また、サッカーで使うのは右翼ではなく、ただ派手・目立つから

Q,日本人は韓国人に対して配慮がない。だから、気を使ってほしい。(韓国人)

Q,旭日旗が注目されるようになったのは90年代後半からなのでは?(日本人)

A,インターネットの普及により、情報を早く得られるようになったから、旭日旗に対して知っている人が増えたのでは。

 

 

[2] 討論(日韓関係の諸問題について)

目的

目標

 

日韓両国の歴史教育について

  日本での歴史教育

  ・小学校から歴史を学んで、高校になると選択科目になるため、勉強しなくても良いものとなる。

    したがって、それ以降は興味のある人しか勉強せず、私たちも忘れてしまう。

・韓国側から、日韓併合や植民地の歴史について、なぜ日本の教科書に取り上げられていないの 

 か?という意見が出たが、それに対して、日本の教科書は事実を書くことだけにこだわっているから

 だ、と考える。だから、生徒が覚えるのは出来事の順序だけ。また、古代から順番に教えられるの 

 で、近代史についてはあまり書かれていない。また、試験のためだけに勉強するので、韓国人が

 日本人に知ってほしい歴史は省かれている。

・まとめ:メディアでしか両国の歴史についてしれないので、今回のように話し合っていく必要がある

 

 韓国での歴史教育

   ・韓国では、歴史ドラマや映画が人気だから、基本的なことは皆知っている。だから、知らない人は恥ずかしいので勉強したくなくても、勉強しないといけない。

   ・大学入試の時に、韓国史の占める点数が大きいので、塾や家庭教師をつけて勉強する。だから詳しく知っている。

  ・歴史を教える教師の親戚や親は、戦争経験者(被害者)だから、間接に学んでいる。

  ・近代史を、以上の理由のため沢山勉強するが、そのほかに試験のための暗記科目だから、歴史を習う意味が分からない学生が多い。

  ・間違った認識を持って歴史問題について話をする人がいて、それが混乱を招いている。

 

 【質問】

  Q,韓国の戦争ドラマとかは、事実より大げさに作られている気がするが、それを韓国人は真に受けて見ているのか、それとも少しフィクションが入っていると考えてみているのか?(日本人)

  A, 英雄を美化する映画の特徴として、誇張して表現することはしっている。しかし、それは韓国だけの特徴ではない。ところが、それについて知らない人は残忍なシーンを真実だと感じてしまう人もいる。

  A,映画やメディア等で、勉強してはいなく、歴史を習った後に美化された映像を見て、被害者意識を持つ。

 

 Q,「韓国の教育課程では近代史は50%以上と決まった(韓国人)」と言っていたが、そういうことを含

めて、日本人はそれを反日教育と言うのでは?(日本人)

 Q,韓国人は、教科書通りの話をして、根拠のある意見を言うが、その意見が同じイメージがある。日本人には、そのような歴史観がなく、歴史認識の許容度は日本のほうが大きいのでは?また、歴史は「認識」と考えているのだが、韓国人の歴史についての考え方が同じだから、多様な認識が潰れてしまうのでは?(日本人)

A,韓国のほうが知識量は多いが、周りからの視線があるから、勉強に対する考え方が違い、日本は知らなくても良い、というスタンスになってしまう(日本人)

 A,韓国は戦争で勝ったこともないし、認識の幅が狭いので、同じ考え方になるのはしょうがない。それに、同じ考えだと同じ行動ができる。(韓国人)

Q,日本に対して「謝れ!」という考え方でなく、「また同じ被害を出さないようにしよう!」という考え 方に変えることはできないのか?(日本人)

A,歴史を学んで一つの認識を作るのではなく、歴史を基盤として物事を考えることが大事だと考える(韓国人)

A,日本の支配時代は暴力の歴史であり、他にどう認識できるのか?望んでいない近代化だった(韓国人)

 

 

 

慰安婦問題について

日本人の意見に対する韓国人(参加者)の反論

  ・「賠償金」を払ったのと日本側は考えているが、韓国は法的責任やさらなる賠償金を求めるのはなぜか?

   韓国側は、賠償金が十分に払えていないと考えているが、それは金額の問題でなく、どういう風にお金が使われているのか、焦点を当てないといけないのと、去年の12月の日韓の話し合いで、日本は韓国にある慰安婦の財団にお金を渡すこととなったが、講演する、という形でしたので、法的賠償金には当たらない。

  ・「慰安婦のおばあさんが何を求めているのか」という日本人の質問

   どのような措置を取る、というより、この間の合意が政府間で行われただけで被害者の意見が組み込まれていないことが問題だと考えている。慰安婦のおばあさんの意見が組み込まれた日韓の合意が必要と考える。それを慰安婦のおばあさん達は求めている。

  ・以前賠償金を受け取らなかった人が今になって求めている理由は?

   どうして慰安婦のおばあさん達は、お金を何でその時にもらわなかったのか、ということを考えるべき。過去に正式な謝罪や法的処置が取られていたら、慰安婦のおばあさんたちが賠償金を受け取ったのではないか。

  ・毎回謝罪しないといけない理由は?

   謝罪の回数でなく、韓国人が受け入れる謝罪の仕方であれば良い。だから、国際的舞台で慰安婦という問題があったことを認め、被害者の意見を取り入れる合意をし、きちんとした歴史教育が行われることが重要と考える。

 

日本人参加者が問題視している点

  ・徴兵制について  ・賠償金  ・国民性の違い ・マスメディア

  ・韓国が求めている物は何か?謝罪か、賠償金か  ・認識の違い 

  ・お金について違いがあって、「償い金」「賠償金」「癒し金」というものがある。その言葉の違いで、受けとられ方が違うので問題が生じている。

・日本側として求めていることは、「日本側が謝罪していることを認めてほしい」と考えている。10億円を慰安婦の人に賠償しているのに、アクセサリー販売など、商売をしているのに(お金はあるのに)どのように賠償金を使うのか。

・慰安婦像を新しく建てるから、問題が複雑化するのでは。

 

 【質問】

Q,慰安婦へ韓国人以外にもいたのか、他の国の人も謝罪を求めているのか?

A,東アジアでは台湾やフィリピンなどにもいたけど、あまり謝罪を求めているという話は聞かない。

 

Q,韓国の人がどうしたら、誰が謝罪したら一発で認めてくれる?

A,どうやって謝罪の仕方でなく、慰安婦の方たちが受け入れられる謝罪の仕方ですべき

 

Q,その仕方は?

A,安部総理が直接的に謝罪することと、政治家たちの間で問題になっていて、どうしたら解決できるか、政治家と被害者で話し合うべき

A,謝罪をしても、首相が変わるたびに内容が変わったり、村上談話や小泉談話で話はしたりしているが、その「強制連行がなかった」とか「大阪府長が慰安婦の人達は売春婦だ」と言っているのを聞くと、真剣さや反省の態度が見られないと考えてしまう。

 

 A,韓国側も日本国側も「被害者を交えた話し合いをするべき」という同じ答えが出た。

 Q,その動きはないのか?

 Q,去年の日韓の合意においても、被害者の意見を交えずに行い、合意後に被害者が異論を唱えた。被害者と政府が合意するということがなかったのでは?

 

Q,韓国政府と被害者がうまくいっていないのが一番の問題なのでは?

A,生き残っている被害者は数少ない。平均24歳の慰安婦の人だったら、現在90歳を超えている。

 

領土問題について

竹島問題について、日本人の考え

1)小学生の時に授業で聞いて、自然に竹島は日本のものと教えられた。竹島は韓国に占領されてしまったという悪いイメージがある。また、沖の島、出身の祖父母で、そのような話を小さいころから聞いている。

2)なぜ国際司法裁判所に問題提示していないのか?

3)日本には書面化された、歴史的な証拠の文書が残っている。例えば、サンフランシスコ平和条約では、どちらの国のものか明確に書かれていない。

 

韓国側の反論

竹島問題について、日本人の考え

1)小学生の時に授業で聞いて、自然に竹島は日本のものと教えられた。竹島は韓国に占領されてしまったという悪いイメージがある。また、沖の島、出身の祖父母で、そのような話を小さいころから聞いている。

2)なぜ国際司法裁判所に問題提示していないのか?

3)日本には書面化された、歴史的な証拠の文書が残っている。例えば、サンフランシスコ平和条約では、どちらの国のものか明確に書かれていない。

 

韓国側の反論

1)日本人が小学校の時に習ったのは、内容の根拠の不足で、簡略的に書かれていること。韓国が竹島を占領しているイメージは、日本の政府の主張であり、正確な根拠がない。

2)国際裁判所に挙げない理由は、明確な韓国の領土であるために、紛争の対象が違う。また、国際社会で日本の影響力が大きいから、公平に正当な裁決が出ないかもしれない。

3)サンフランシスコ平和条約は、済州島・コムン島・ウルン等を含む三千あまりの島を言及したことに、竹島を除外したのではなく、含まれている。また、日米間の出来事だけであり、国連の承認がなく、アメリカの長官だけの意見でもあるため、根拠が不足している。

 

【質問】

Q,今から個人的感情を聞きたい。政治家、議員の人が独島に行くことに対して、どう思うのか?

A,・支持率のためなのでは?ポピュラリズムに走っていると思った(日本人)

・韓国にとっては、自国だから当たり前かもしれないけど、日韓関係が悪くなるので、刺激的なことはしなくても、いいのにと思った(日本人)

・独島、竹島を中立のものにはできないのかな?(日本人)

・経済水域とかあるから、中立は難しいのでは?(韓国人)

 

Q,日本は他国とも領土問題を抱えているが、その理由は?(韓国人)

A,・資源とかの所有権のため ・「不法占拠」と考えている(日本)

・韓国は、領土問題はないの?中国とあるのでは?(日本)

・日本だけでなく、他国でもあるから、日本だからという問題ではない(日本)

 

 

[3]プレゼンテーション(私たちができる小さな外交とは)

本フォーラムの最後に位置付けられたプログラムである。テーマは「私たちにできる小さな外交とは」となっており、副題として「国交正常化100周年に向けて新たな50年のスタート」となっている。

日韓の学生が混じり7人ずつ3つのチームに分かれ自由にテーマについて発表を制作してもらった。2日に分けて準備時間に3時間半かけ、発表15分+質問15分で進行した。

各々のチームで自由な発想で話し合いがなされ、のびのびとした発表がなされた。

それぞれの発表に穴はもちろんあるものの、光る素材がたくさん転がっており、今後の日韓交流の上でヒントになることは間違いない。精錬すればベンチャーとして立ち上げることも可能なものもある。

目的

プレゼンテーションは本フォーラムのゴール地点として設定されており、2回の討論を経たうえで、政治や歴史といった切り口ではなく自分たちが主体となることに重きを置いた。フォーラム終了後も、各々が自らができることをやるということに意識を向かせることを目的とする。またそういったことを各々の周りで広め拡大し、大きな影響力を持つことを期待する。

目標

モラトリアムと揶揄される学生、若者であるという点を最大限活かし評論家のようにならないことに注意する。具体的に言うと、若者ならではの突拍子もないような、革新的なアイディアを生み出すということ、そして未来を長く生きるものとして未来志向になることを念頭においた発表制作をすることを目標とする。

内容

3つのチームの発表についてそれぞれ要約する。

 

①    Travel ともだち

旅行を手助けする団体の創立を提案

両国間で往来する旅行者に対して、ボランティアガイドを紹介するシステム

Facebook 等のSNSを利用し、旅行者とボランティアスタッフのマッチングを行う

「ともだち」づくりの第一歩になる

 

〈なぜこの企画をするのかという背景〉

・普通の観光コースより意味のある旅行にしたい

・現地人のようにすごしてみたい

・現地人だけが知っているとっておきを知りたい

・外国人の友達が作りたい

・交通等困った時に手助けをしてほしい

 

といった思いが我々の中に存在する。

 

〈計画案〉

ゲストについて

・申請はひと月前まで

1人から5人までに対応

・申請書方式(名前、年、使用可能言語)

・予約金はデポジットで3000円(返金する)

・旅行テーマは6つにカテゴライズ(伝統、食、酒文化、ショッピング、自然、その他)

 

ボランティアスタッフについて

・ガイド時間は基本3時間

・場所の推薦等もガイドに含む

 

その他事項

・アンケートを通してマッチングを行う

・緊急事態用のマニュアルを作る(ホームページ上で公開)

 

〈質疑応答時間に関連して〉

Q、都市を想定してつくられているようだが、開催地の島根のような場所ではどうするのか?

A、実際に会うことができなくても事前にカカオトーク、LINE等で連絡を取り合い、スケジュールについてのアドバイス等を送るなどができる。またネットワークが広がれば全国的なものも可能になる。

 

Q、安全性の担保に関してはどう考えてるか?

A、ボランティアスタッフは可能な限り男女1名ずつの2名にする。またIDチェック等も事前にする。

 

Q、案内中に発生する料金はどうするのか

A、基本的には3時間以内に設定しているので発生する事例は多くはならない。ボランティアスタッフには学生も多く参加するはずで授業の空コマ等を利用することも多いという理由もあり3時間に設定した。また事前にやり取りをしており気が合った場合などはボランティアスタッフに任せる。

 

意見

・レビュー機能等をつけるとよりマッチングの精度も上がり、サービスもよくなりそう。

・海外では助けてもらうことはそもそも期待していない。期待していないことが行われるとそれは大きな嬉しさを呼び起こす。そしてその嬉しさが相手国への好印象につながるのではないか。

 

 

②    贈り物で日韓をつなげる

贈り物交換をを日韓間で仲介する団体を設立

Facebook等のSNSで運営、広報等を行う。

子供、孤児院、老人ホーム等を中心にしつつ前世代を対象にする。

 

〈ひとつのモデル〉

小学校の図画工作や家庭科の授業で作った作品を交換する。受け取る人がいるということから学習、創作意欲もあがり教育上も効果を発揮する。また相手の文化に小さい時から触れることで、異文化への理解を深めることができる。

小さいころのプレゼントは記憶に残るものになり、日韓間の相互の印象は子供の成長と共に自然と改善に向かい、それをまた自分の子へと継承する。

 

〈質疑応答〉

Q、荷物の配送はどうするのか。

A、運営に留学生をたくさんリクルートする。留学生は日韓の行き来が多いので、その際に自分の荷物と共に運んでもらう。

Q、手作り品を送るのが基本?

A、心のこもったものを送るという点で手作りがいいのではないか

 

意見

・送った人受け取った人の顔が見える仕組みをつくればさらにいいのではないか。

・自国のものを紹介する際、相手国に対して押しつけがましく自分たちの素晴らしさをアピールしてしまうということが往々にしておきるので、そうならないような気づかいができればよい。

 

 

 

③    日韓無限挑戦

日韓交流イベントを開催する。

発表使用のPPT参照

 

〈質疑応答〉

Q、費用がかなりかかりそうだが開催できるのか?ホームステイなどにすれば費用をおさえられるのでは?

A、今は計画を立てた段階であり、精査する必要はある。

 

意見

・国際交流には2種類あり、ひとつは相手国をよく知っている層同士の交流で、もう一方は相手国を全然知らない層同士の交流である。どちらも大事であり今回はどちらかといえば前者である。提案されたプログラムでは言語能力が参加者の優遇の基準に入っているが、お酒を飲み交流を深めるといった内容であり、後者の方向をとればさらに力を発揮できるのではないか。

・時には日韓混合チームではなく日韓戦はどうか。

 

 

 

 

[4]課外学習

目的

今回のフォーラムでは討論だけでなく、積極的に日韓の学生との交流を深める一環として、課外活動を設けた。討論では確かにお互いの認識を知ることができるが、それだけでは日韓の壁が依然として残るように思った。そこでそれら討論とは違う、個人レベルでの交流が重要であると考えたため、今回は二日目の夜に野外炊飯でカレー作りをおこない、三日目には出雲大社、島根県立古代出雲歴史博物館への訪問をした。

野外炊飯

自然豊かな島根という地で体験できることを、日韓の学生を問わず存分に感じてもらいたいと思い、この計画を企画した。4つのチームを作り、カレーを作るグループとご飯を炊くグループに分かれ、時間内で協力しながらカレー作りをおこなった。カレーを作るグループでは、材料を洗ってから切るまでの工程をおこない、また、付け合わせのサラダも作った。ご飯を炊くグループは、薪を燃やして火をおこし、ご飯は釜を用いて炊いた。薪を燃やして火をおこす作業は、文化が発展した現代ではなかなか体験でできない機会であった。このカレー作りの活動では、日韓という枠を超え、個人として交流を深めながら、また言葉が分かららずともお互いを信頼しあい、一人一人の学生たちが非常に楽しそうに活動していた。同じグループではない学生が、他のグループの手伝いをしている人もいた。完成したカレーはどのグループも非常によくできており、各グループ順序良く活動していたため、時間通りに食事をとることもできた。ここまでの交流がなされることは実行委員の我々の想像以上であり、このカレー作りのイベントをきっかけに全体が打ち解けたように見えた。

始める前は、野外での活動のため非常に暑いということもあり、疲れた様子を見せていた参加者が、終わりには笑顔で活動を終えていたところが印象的であった。この、野外炊飯の活動は成功であったと感じた。

課外学習 

今回島根県での開催ということで、その土地がどのような場所であるかということを知ることも、フォーラムの重要な点であると考えたため、出雲大社と博物館見学を計画した。島根県での開催理由は、日本側の主張によると、竹島が属している場所であり、日韓衝突の地である反面、弥生時代には半島から多くの技術者が来日し、技術を伝え、様々な史料が残っている地であるからだ。歴史的衝突がありながらも、古くから続く日韓の交流は歴史を見ても分かることである。この交流を今後も続けていくためにも、両国の学生たちがその事実を知る必要があるため、この課外学習も今回のフォーラムの計画に取り入れた。

出雲大社と博物館の見学は、2つの班に分かれて各グループで行動した。韓国人学生たちは日本特有のおみくじやお守りなどに興味津々であり、それらについて日本人学生たちが説明するという、我々が望んでいた日韓の交流ができていたように思えた。日本人学生の中にもこの地を訪れた人は多くおり、神宿る地ということをしっかりと感じながら見学することができた。また、観光地のお土産店にも韓国人学生は興味を示しており、お土産をたくさん購入している学生もいた。昼食には現地で有名な出雲そばを食べ、出雲という地を充分に体感した。

次に博物館に移動して、島根に伝わる歴史について学んだ。博物館は、まず、出雲大社を中心としてそれにまつわるこだいからの歴史について展示していた。次に、古代の出雲の国の様子をマネキンなどを用いて忠実に再現されていた。また、弥生時代に出土した資料が展示してあり、展示物の多さと迫力に驚かされた。ここで一番に感じたことは、古代から日本と韓国の交流は盛んにおこなわれており、日本から出土した史料は韓国の史料と非常に似ている、または同じであるということだ。古代からの交流が現代まで続いてきたことは非常に素晴らしいことであり、これは後世にも似き継いでいかなければならない大切なことである。いま、歴史的、政治的問題で日本と韓国は決していいとは言えない状況にあるが、個人間での交流を今後も継続的に続けることが大切である。このようなことを各参加者と共有しながら見学できた。是非とも、この訪問だけにとどまらず次の機会にまた訪れてくれる参加者がいてくれることを願う。

 

 

5,会計報告

[1]支出の部

・宿泊費                110,550

・食費                  136,130

・野外炊飯燃料費         1330

・歴史博物館入場料      8,000

・横断幕           10,000

・備品                       2,777

・交通費           68,670

・通訳 謝礼金         8,120

合計            345,577

 

[2]収入の部

日本人参加者(現地集金額) 180,000

韓国人参加者(現地集金額) 97,000

韓国人参加者(デポジット額) 690,000ウォン

合計            約346,000