第二回韓日未来フォーラムを終えて / 小林千秋

 2014年12月20日~21日に韓国にて韓日社会文化フォーラムが主催したプログラムである「第二回韓日未来フォーラム」に参加をした。今回韓日未来フォーラムに参加した事により得られたものは多大なるものであった。

 私が今回韓日未来フォーラムに参加を決めたのは、プログラム内にもある「既存メディアと日韓関係」というテーマを多様な価値観の中で話し合う事で、何か未来に目を向けたアイデアが出るのではと思ったからである。私は2014年8月に日本未来コリアプロジェクト(NIKKORI)の中の「38度線平和活動」という活動で日韓学生で共同生活をしていた際、討論会のテーマとして「メディア」を扱った。その際、両国から見た報道の仕方の違いなどは見出せたものの、限られた時間だった為にその後の発展的な話ができなかった。その事への心残りがある中、今回の韓日未来フォーラムを知り、8月の活動の反省を生かせるのではないかという期待感もあった。

 1日目アイスブレイキングという事で行った「立場反転ディスカッション」では韓国人が考える日本の印象を日本人が考え、反対に日本人が考える韓国の印象を韓国人が考え、それぞれ挙げた上で相違点やその理由を話し合った。

このディスカッションでは良い意味で予想を裏切る印象が挙げられた。メディアというフィルターを通してではここまでわからない、直接話し合う事の利点と言うのはこのような所にある。その後、朝日新聞ソウル支局長の講演を終え、夜には親睦会、その後懇談会が行われた。この懇談会では日韓学生がそれぞれグループ分けされ自由なテーマで話し合われた。フォーラム序盤で話していたメンバーとは全く違う方々だったため、また違う考え、視点に触れ、また終始リラックスしながらの懇談会は充実していた。普段は人前で話す事を苦手とし、躊躇してしまうが、周りの学生が積極的に発言しているのを見て、自身も積極的な発言を心がける事が出来た。

2日目、ポスターセッションに向けてのグループワークとして、①現在における日韓報道への問題意識②日韓報道の問題点は何か③正常な日韓報道とは何かについて話し合われた。この話し合いでは韓国側、日本側から見た視点を照らし合わせ私の班では日韓報道の問題点として「客観性の欠如」「商業意識」という問題点が主に挙げられた。この後ポスターを作成し、他の班に説明をし意見を求めた。

そして午後になり総合討論が行われた。「日韓友好未来の為に若い世代が考える最も重要な事とは」という題材を踏まえ、私は「反韓・反日」についての班に入りこれらを話し合う事の重要性を皆で話し合った。私の班は政治・歴史などの話の前に、より市民に身近な事(アジア内に対しての日本人優位的な考え、反韓本、デモ、ヘイトスピーチ)を話し合う事で土台を作り、その後の問題(政治、歴史)も正しい感覚・方向から話し合う事ができるのではないかという考えに至った。この話し合いで良かった事は政治や歴史という大きな問題ではなく、身近な問題に焦点を当てた事で日韓両国の人が実際経験した反韓・反日感情など具体的な例が皆から出てきたという事である。この話し合いではお互いの意見を踏まえた上で、正当に批判する場面も見られ、話し合いの本来の意味を感じる事が出来た。

この2日間という時間の中で韓国人学生に共通して感じたのは、どの場面でも自分の考えをしっかり持ち発言するという点であると思う。8月に「38度線平和活動」の際、日韓学生で一緒に討論会をした際も感じたことであった。普段は大人しい人でもそのような場ではきちんと発言をする。それに比べ、人前という事に対し恥ずかしがったり、批判を恐れ発言を控える自分に対し、情けなさと恥ずかしさを覚えた。今回の韓日未来フォーラムで「貴重な機会であるし、きちんと発言しよう」と思わせてくれたのは8月に引き続き、韓国人学生に加え学生全体のそのような積極的姿勢があったからである。そして上記の積極性に通じた事ではあるが、どの学生も初対面にも関わらず温かく歩み寄ってくれた。フォーラム後も韓国に数日間滞在して感じたことだが、困っていたら助けてくれて、面倒を見てくれる。今回そのような温かさ、人間同士の距離の近さを感じ、とても心地良さを感じた。そして私が今回の韓日未来フォーラムで1番感じたのは「多様な中で話し合う事の重要性」という事であった。韓国・日本という国の違いももちろんだが、その枠組みを越えた人間1人1人の違い、「同じものは1つとして無い」という事を感じた。その人の価値観、環境、これまで見てきたものは誰とも一致しないものであり、その多様な人の中で話し合った事で、自分がこれまで見てこなかった視点を見る事ができ、より発展的な話が出来たのだと思う。

今回この第二回韓日未来フォーラムによって今まで自分の経験には無かった未来を見据えた「発展的な話」ができ、参加を決めて本当に良かったと思う。しかし今回のこのフォーラムは主に日韓問題に興味がある者が集まって話し合った事でそのような発展的な話ができた部分もあると感じるが、もちろん日韓関係対し全ての人が興味を持っているわけではない。中にはメディアが報じる事をそのまま信じ、常識・普遍化している人、単に興味がない人ももちろんいるであろう。両国共にそういった人々に対して、今後どのように働きかけていく事ができるのだろうか。解決策は見つかるのだろうか。この問題は1人では決して結論を導き出す事が困難であるからこそ、1人でも多くの人との話し合い、多くの視点から多くの意見を出していく事が必要だと思う。話し合いは継続するべきである。上記のように今回フォーラムで感じた多くの事を生かし、私は今後も間接的ではなく直接逢い、直接話し合うこの交流の形を大事にし、継続していきたいと思う。