韓日未来フォーラムを通して(井関潤美)

私は、これまで日韓交流等に参加したことが幾度かあった。しかし、日韓関係などの議論を行うことは今回が初めてのことであった。以下、韓日未来フォーラムを通しての所感や学んだことを述べていく。

 

私のチーム別セッションのテーマは、兵役についてであった。私は、以前から韓国と北朝鮮の関係に関心があり、日本にはない兵役制度について理解を深めたいと考えこのテーマを選択した。討論の中で、兵役制度が行われる理由の一つとして北朝鮮との休戦状態にあることが挙げられた。韓国では、北朝鮮との南北分断を経ての休戦という歴史的な背景から兵役義務が課せられている。兵役の有無に関する討論では、約二年間という長期的な時間がとられるという問題等が挙げられた。一方で、北朝鮮に対し緊張感を与えるなど現在の情勢からは必要不可欠な制度であることも明らかとなった。日本人にとって、兵役は身近に感じにくいことであるが、日本も安保法案等が可決れたことなどから、日本にとって戦争や兵役は他人事ではないと実感した。日本人の中には、兵役やその背景について知らない人も多くいると考える。近隣である韓国の情勢について理解を深めることで、日韓を始めアジア諸

国でも平和への意識が高まっていくのではないかと思う。また、グループ討論を通して、日韓での認識や意識の違いなどを感じることがあった。これは、育った環境や受けた教育が異なるためであると思う。異なる背景を持つ者同士での話し合いを行う際、お互いの意見を傾聴し尊重する姿勢で行うことが重要であると改めて気づかされた。全体セッションでは、「日本人と韓国人がよりよい関係を築くためには?」というテーマで行われた。教育面では、学校で教育を行う教員への教育とともに日韓の学生に対し教員を交換し授業を行うという意見が出た。確かに、教育を行う者が中立的な立場にあれば、差別や偏見等の誤った考えが植え付けられることも少なくなると思った。私は、日韓の学生が同じ教室で学ぶことなど、学生に対する教育に視点を向け考えていた。そんな中で、教員に焦点を当てた意見があり新たな視点から学ぶことが多くあった。また、文化面ではドラマとお菓子を関連付け両国に興味をもつきっ

かけを作るなど、私たち世代ならではの意見を交換することができた。全体セッションのように、文化や日常生活など私たちにも実践可能なミクロレベルでの考えを話し合うことが、日韓関係の前進に繋がっていると実感した。

フォーラム全体を通して、日韓関係についての学びはもちろんのこと、両国の学生が共に時間を過ごすことで学生同士の友好関係を築くことができたと実感している。一方で、自分自身の知識不足も課題点として見つかった。知識不足などの無知が固定概念へと変わり、それらが偏見や差別へとつながる可能性もある。まずは、自分が正しい知識を身につける必要性があると身をもって感じた。同世代の学生と討論や交流を行うことで、視野を広げることができ良い刺激を受けた。また、韓国語や日本語が飛び交う環境に置かれたことで、自分の語学力をさらに向上させたいと強く思った。

韓日未来フォーラムでできたつながりや学んだことを今後に活かしていくと共に、私自身個人レベルから日韓関係がより良い方向へと向かうように努めていきたい。