地域特化型ビザについて

日本人を含む外国人が韓国に長期的に居住する上でビザは必ず必要だ。今回は数あるビザの中から地域特化型ビザについて、テジョン出入国・外国人事務所所長カン・ソンファン様に取材をする中で詳しいお話をして頂いた。

 

ーー外国人に 地域特化型ビザを簡単に説明していただけますか?

-今現在、韓国では人口が急激に減っています。最近の若者たちが子供を産まない傾向にあるということです。それだけではなく結婚自体もしようとしない方が多いです。そのためいくつかの地域は'人口消滅地域'と政府で指定し、管理をしています。このような人口消滅地域では人口が減ってしまうので外国人を誘致することで人口を増やそうという計画を持っている地域があります。そのような地域が政府に外国人を誘致したいと要請した場合、地域を指定し、外国人を何人か配置するといった制度です。

大韓民国自治体消滅危険地域が2010年~2022年12年の間に二倍に。

ーー対象地域が既存の6地域から10地域に増えたとお聞きしましたが、対象地域に関して詳しくお聞きしたいです。

-私たちが対象地域に指定した者は広い概念なのですが、最初は忠清南道、全羅北道、全羅南道、慶尚北道、京道、慶尚南道このように6地域でしたが、釜山域市、忠清北道、大邱域市、京道加平郡の4地域が追加されました。この地域全てが対象というわけではなく、この地域の中で人口が減少している市や郡などのいわゆる田舎が対象となっています。田舎とはいえ、釜山域市(東区、西区、影島区)、大邱域市(南区)は大都市なので日本の方に関心を持っていただけると思います。また、京道ですと加平郡がソウルにも近いので良いと思います。

ーー基本要項の学力の部分で国内のp専門学士以上の学位取得者または卒業予定者と記載されているのですが、これは国内外(韓国外)で取得した学位は認められませんか?

-はい、韓国で専門大学以上を卒業しなければならないので、韓国外で大学を卒業したとしても地域特化型ビザは取得することはできません。

 

ーー対象地域の中から移住したい地域を選ぶことはできますか?

-地域別に条件が異なります。例えば、忠清南道の場合、忠清南道地域で大学を卒業し、就職をしてはじめて地域特化型ビザを取得する条件が整います。そのため、地域ごとの条件を詳細に見たうえで、準備をする必要があります。

 

ーー就職時の職種は法務部が指定した職種で就職をするとされていますが、職種はどのように指定されるかお伺いしたいです。

-職種は一般的に製造業です。製造業というのは工場ということになります。工場での製造業、農水産物加工業、または療養、看病サービス提供等を法務部では指定していますが、該当地域の自治体別にも別途で要項を指定しています。ですので二つの条件を同時に満たさなければなりません。各地域別にどのような外国人が必要なのかを考え、指定していますのでこちらも条件を熟視する必要があります。

 

ーー基本素養にある'社会総合プログラム'とは何なのか教えてください。

-'社会総合プログラム'とは、外国人の方々が韓国で韓国語や韓国の社会に対する理解科目を決められた基準にそって履修すると滞留資格を変更する際などに特典を受けられるようにこのプログラムを履修した方は永住権などを取得する際に少々楽に取得できるようなプログラムです。法務部で行われている'社会総合プログラム'は、まず初めに試験を受けます。試験の結果で自分のレベルが決められます。こちらを履修すると後に永住資格を取得されたり、韓国の国籍を取得する際に有利な点が多くあります。 教材と試験は有料ですが、授業は全て無料です。

 

――今現在、実際に地域特化型ビザを取得している外国人はどのくらいいらっしゃいますか?

-実は一部地域を除いてほとんどの地域が外国人を十分に集められていないのが現状です。例えば100人を集めようと決めても50人程が申請をし、残りの50人分は埋められないような状況です。

 

――人口減少地域で就職をし、居住は違う地域でしても良いのでしょうか。

-実際に人口減少地域には必ず居住しなければなりません。ですが、人口減少地域ではない地域で 人口減少地域に居住しながら、就職し、出退勤をすることは可能となっています。

 

――地域別に大体何人程募集をしていますか?

-地域ごとに差はありますが、大体50人から100人ほどです。多い地域は200人まで募集する所もあります。

 

――最後に、地域特化型ビザの良いところをお聞きしたいです。

-このビザは取得が比較的しやすいというところが良いところだと思います。韓国で専門大学さえ卒業すれば就職は問題なくできるようですし、5年間居住すれば永住権を取得することが可能です。永住権を取得した後に他の地域へ移動できます。